うちの家計遍歴～貯金がないのに家を買った結果～
プロフィール
名前：スピコ
年齢：34歳
職業：主婦&在宅ワーク
家族構成：夫、息子5歳
星座：ふたご座
血液型：Ｏ型
うちの家計状況
結婚7年目。
我が家のビンボー生活の始まりは、2年前に中古マンションを購入したこと。
それまでも、決してお金に余裕があったわけではない。
でも、独身時代の貯金があったため、家計簿なんてつけなくてもどんぶり勘定で家計がまわっていたのだ。
それがある日、夫の一言がきっかけで状況が一変した。
「俺、家が欲しい」
そう思ったきっかけは、近所に新築マンションのモデルハウスがあったから。
同年代の人たちも、ちらほら家を建てたりということもあったのかもしれない。
でも、うちは転勤族。
家を買ったら単身赴任になっちゃうけどいいの？
とも思ったが、家があればそこを拠点に帰ってきやすくなるらしい。
ま、本気かもわからないし、どうせ今度の休日に予定があるわけでもない。
どこかにヒマつぶしに出かければ散財してくるのは目に見えている。
モデルハウスを見に行くだけならお金はかからないし、子連れで行けばお土産にレゴブロックももらえるらしい。
それに、そのころ私は『子育てのお話会』と言われるものに参加していた。
(だいぶあとに宗教団体だったと気づくのだけれど)
そこの教えでは、子供が良い子に育つかどうかは夫婦仲で決まるというもの。
妻は夫をたて、気持ちよく過ごしてもらうように努めなさい。
さすれば夫の収入はグングンアップし、子供も賢く優しく育ちます。
要約すればこんな感じ。
100％信じていたといえばウソになるが、ストンと腑に落ちる部分も多く、私はそのお話会が好きだった。(宗教勧誘は一切なかった)
託児付きっていうのもあって、四六時中息子と2人きりの私には、良い息抜きにもなっていた。ママ友なんていないし。
だから、夫が家を欲しいというのなら、それを叶えてあげるのが私の役目。
ＮＯという選択肢は私にはないのだ。
それに、モデルルームで話を聞くだけならタダだし、おもちゃだけもらっちゃえばお得じゃない？
なんて、軽く考えていたのだ。
マンションギャラリーがあの手この手を使って引きこむワナ
マンションを見学に行く手配を済ませ、あっという間に当日。
自宅から徒歩2分ほどの距離だから、迷いもせずにスムーズにたどり着いた。
子供用のプレイルームも用意されていて、息子は大好きな車のおもちゃに目を輝かせている。
これはゆっくり見れるチャンスだ。
いざ、部屋の中に通されると、そこはもう別世界。
オシャレなバーみたいな良い感じのオレンジの照明に、落ち着いたトーンの壁やドア。
最新設備のお風呂。
憧れの対面キッチン。
徒歩2分の場所に、こんな世界が存在していたなんて。
うっとり「はぁ~♡」とため息がリアルにもれてしまうほど、もろドンピシャ。
ドストライク。
2歳の男のコと毎日ワチャワチャ暮らしている私には、この大人の空間は夢のよう。
これほどたくさん収納があったら、おもちゃを踏んずけ涙目になりながら
「片づけなさい！！出しっぱなしにしてるなら捨てるよ！！！」
なんて、怒鳴り散らさなくてもいいんだろうな....。
グータラな自分を棚にあげ、勝手な妄想に目がくらむ。
でも、あとから考えれば、あの空間はプロがコーディネートしたもの。
そのまま自分のものになるワケではない。
それでも、見に行ったら最後、欲しくてたまらなくなるように作られているのだ。
モデルルームを見に行った結果
部屋を見たあとは別室に移動して、担当さんの営業トーク。
階層によって金額が違うこと、今でも買える部屋はどこなのか？とか。
簡単に言えば、お金の話。
そこで私たち夫婦は気づいたのだ。
今の家賃と変わらない値段で、新築マンション買えるじゃん。
しかも、生活レベルはググーンとアップする。
家賃として払ったお金は返ってこないけど、マンションなら資産として残る。
しかも頭金はいらないらしい。
それならたいした貯金がない私たちでも、持ち家が簡単に手に入るような錯覚を起こす。
買った方が得じゃない？
営業トークが終わるころには、夫よりも私の方が家を買うことに前向きになっていた。
住宅ローン審査。頭金はいくら？
さて、家を買うという方向に傾いた私たち夫婦。
あれやこれや話し合ったり調べたりして、中古マンションを買おうということになった。
そして、ビックリなスピードでとんとん拍子に話が進んだ。
モデルルームを見にいったのは4月。
5月 マンション決定。
6月 ローン審査や、名義変更などの手続き。
7月 入居。
色々なことが目まぐるしいスピードで進んでいったので、私もてんやわんやだった。
なかでも1番焦ったのが、突然不動産やさんに
「どうにか頭金入れられませんか？」
と言われたこと。
私たちが選んだのは中古マンション。
前の方がリフォームされていたので、キッチンもお風呂もキレイな状態だった。
だから気になる場所の床や壁紙は自分たちでリフォームすることにしたが、ほかはクリーニングしてもらってそのまま使うことにした。
だから家購入にかかるローンの内訳は、
マンションの価格＋リフォーム代
となっていた。
だが、一度銀行にローン審査をお願いしてみたら1番いい条件の金利ではなく、
それで不動産屋さんから、あの言葉が飛び出したのだ。
「せめてリフォーム代は頭金として入れてもらわないと、それくらいもお金ないの？と思われて信用度が下がってしまう。どうしてもムリというなら仕方ないけど、もし用意できるようなら入れたほうが良いですよ」
分かる。分かるけど...。
それまでに手付金やらで、すでに100万円以上かかっていた。
家を買おうと準備していたのならまだしも、思い付きで家を買おうとしたものだから、たいした貯金もしておらず、夫は株を売り、私は持っていた数少ないブランド品や貴金属を質屋に売り...。
どうにかこうにかリフォーム代を捻出した。
もう手持ち金はほぼゼロ。
その月の食費くらいしか手元に残っていなかった。
お金がないって、こんなに不安なのか....。
お金って、あるときにはそんなに意識しないのに、なくなるとお金のことばかり考えちゃうもんだね。
あ、こんなこと言うと、お金に恵まれていたように思わるかもしれないが、そんなことはない。
私は大学を卒業した時点で、700万円以上の借金がある(奨学金ともいう)。
そして現在もコツコツ返済中。
そんな感じなので、うちの親に援助なんて頼めない。
夫の実家はわりと経済状況は良いほうだと思うけれど、当時は絶縁状態で頼れる状ではなかった。
親に家を買ってもらう人もいるのにね。
人生って不公平。
こうして、カッツカツの家計ができあがったのです。
ちなみに頭金はいらないという言葉で、一気に『家が買える！』と思ってしまったワケですが、なんやかんやで現金で200万円は必要でした。
